ドイツ人、エルンスト・エンゲル「エンゲル係数」ってなに?
それぞれの国によって生活レベルというのは全く違ってくるんですね。
今でいう先進国、後進国では生活のレベルが全然違います。
日本も戦後は食べることがやっとで、日本人の生活もとても苦しかったんです。
そこで、その国の生活レベルがどんなものかを計る係数を生み出した学者がいるんです。
ドイツ人のエルンスト・エンゲルです。
今回はこのエンゲル係数についてお伝えしていきます。
エルンスト・エンゲル「エンゲル係数」ってなに?
「エンゲル係数」の生みの親エンゲル
エンゲル係数って言葉を一度は聞いたことがあると思うんですが、
何なんだろうと思う人がいると思うんですが、今日は「エンゲル係数」について簡単に説明したいと思います。
この「エンゲル係数」という意味は簡単に説明すると、家計の消費支出に占める飲食費の割合のことなんです。
毎月の収入があり、その中からいろいろな支払いがあり、その支払いの中からどれだけのお金を
食料費にかかっているかという指標なんです。
この「エンゲル係数」を提唱したのが、ドイツ人のエルンスト・エンゲルなんです。
1857年にエンゲルはこの「エンゲル係数」について論文を発表しました。社会統計学者です。
エンゲル係数(%)=食料費÷消費支出×100
試しに計算してみてはどうですか。
このエンゲル係数が高いほど、食料を買う以外にお金を他に使うことができないので、
生活が苦しい状態にあるんです。
日本の場合、ここ10年は約23%になっているんです。
どういうことかというと、貯金を除いて、毎月出ていくお金の約2割が食料費ということになるんです。
要するに、このエンゲル係数が高いと貧困層の部類に入り、低いと裕福層なんです。
例えば、終戦直後の日本(1946年)。エンゲル係数は約67%です。
日本は戦争に負けましたよね。
日本国民は生きていくために食料にお金をかけなければなりませんでした。
当時の昭和22年の日本の全世帯のエンゲル係数は63%で、とても高かったんです。
その後、昭和28年が49%、昭和37年が39%、そして昭和54年は29%と
日本人の生活が豊かになるにつれて、エンゲル係数も下がってきているんです。
80年代には28パーセントまでに下がったんです。
今現在でも、途上国のエンゲル係数は高いんです。
例えば、ミャンマーは約73%、インドは約44%なんです。
日本はこの10年間は23%前後に留まっていますが、他の先進国に比べて、
エンゲル係数が高いんですね。
ドイツは6.9%!低いですね~ ということは、生活に余裕があるという表れなんです。
エンゲル係数が低い国はアメリカ、ドイツ、ルクセンブルク、オランダ、オーストラリア
以上がエンゲル係数が20%以下の国なんです。
なんと情けないニュースなんですが、最近、日経新聞が発表したんですが、
日本のエンゲル係数が去年から急上昇して、平均が24%を記録したようなんです。
この数字は何を意味するかというと、庶民の貧困ぶりが表れた数字なんです。
また、都市部に深刻な悩みが出てきて、日本の都市ごとに分けると、大阪市29%、神戸市約30%、京都市、30%……
日本の平均値をかなり上回っているんです。
このように日本も深刻になってきました。なぜこうなったかというとアベノミクスによる円高なんです。
アベノミクスのおかげで日本の経済が良くなったなんて考えている人が大勢いますが、逆なんです。
日本人もまた、生活に余裕がなくなってきているんです。
早くドイツに追いつきたいですね。